ローマの休日 まとめ(観光地編)
あっという間に連休は終わり、早いものでイタリアから帰国してからもう1週間経ってしまった。
今回ローマにいたのはたった丸5日だったけどすっかりイタリアかぶれしてしまい、家の近所でもイタリアンレストランを探してみたり、日本酒の代わりにワインを物色している今日この頃。
そういえば、PC持っていったからローマから旅日記を発信、などと言っていたけどふたを開けてみたら更新は2回のみだった…。ごめんなさい。
まあ、やっぱり完全に遊びでイタリアになぞいるとホテルでキーボード打ってる暇があったら外を出歩きたい、って感じになってしまうのですよ。
というわけで、自分の記憶のためにも今さらながらまとめておこう。
【観光地ベスト3】
ローマの街はそれこそ世界的な名だたる観光地ばかりで、5日ぐらいではとても制覇できないという感じなんだけど、そんな中で個人的に良かったところを。
フォロ・ロマーノは古代ローマ時代の政治の中心地で、いわば霞が関と永田町って感じで、現在もかなり広い範囲でその遺構が残っている。
(写真は高いところから見たもの。かなり広い。)
客観的に見ると古い石ころが転がっているだけかもしれないけど、古代ローマの共和政期・帝政初期の建物の跡も多く残っているここを歩くのは、この時代を勉強した者としてはそれはもう筆舌に尽くしがたい気分。
約2000年前にカエサルやアウグストゥスが作った聖堂の跡などを見ると、偉大なローマと世界史上の英雄が本当に実在していたということが真に迫って感じられて、一人感動してしまった。
この遥か昔からの、何と言うか圧力さえ感じさせるスケールのでかさはすごい。
ちなみに、かつての都心であったここは現在もローマの街中にあって、車がばしばし通る道路を隔てるとそこはイタリアの首都、というのも日本では考えられない情景で素敵。
パラティーノの丘はフォロ・ロマーノに隣接している丘で、かつてローマの有力者の邸宅があった場所。
いわば山の手の高級住宅街で、古代ローマ関係の文書でもよく登場する。
ここも当時の遺構が実によく残っていて、かつてのローマのお偉方はここの家とフォロ・ロマーノを往復して元老院に出てたりしたのだ、ということがクリアに想像できる。
キケロぐらい向こうから歩いてきても不思議じゃない。ってのは言いすぎかもしれないが。
大して高くない丘だけど、登ると街の喧騒が不思議と消えて吹く風と緑が気持ちよく、当時偉い人たちが多く住んでいたのも納得できる。
そんな丘の上には遺跡がごろごろ。丘の下のフォロ・ロマーノも含め、その量と質は圧倒的。
丘からの景色もきれい。
<2位>アッピア街道
一般的なランキングからは外れそうだけど、個人的には行けて良かった場所。
アッピア街道は古代ローマが各地に作った「全ての道はローマに通ず」と言われる街道網のうち最初に敷設されたもので、作られた年代は忘れたけど共和政期だから当然紀元前、ローマから南に向かって作られた道。
こうした街道網が軍団の移動を迅速にし、交易も盛んになり、ローマの覇権をもたらした要因の一つ、と言われております。
今回は、ローマの市街地の南の端っこの方から実際に歩いてこのアッピア街道に入り、古代の道の面影が残るところからは自転車を借りて走ってみた。
市街地との境のサン・セバスティアーノ門、写真手前側がアッピア街道。
この辺りは車が多く通る普通の道路だけど、しばらく歩くとどんどん田舎になり、ローマ時代の隠れキリシタンのカタコンベがあったりして良い感じになってくる。
そしてそのうち車が通る新しい現在のアッピア街道と旧街道に分岐し、そこからいよいよ昔の道に。
旧街道ではところどころ、写真のようなかなり古い石畳が出現。
石のすり減り方が半端じゃなく、写真ではわからないが端には轍の痕も残っている。いつのものだろう。
道の左右にはもう元の形がわからない何かの跡の一部がごろごろ転がっていて、その風化しきった石ころの脇を自転車で走っていくと実に不思議な気分になる。
何とも表現できないけれども、歴史というのは勉強の世界では無く、現実にこの世に積み重なっているんだなぁと。
あと、ここは自分のような観光客のサイクリングよりも、普通の自転車乗りが多く走っていた。
歴史的なこともさることながら、ローマの喧騒から離れ、緑も多く車も走らず良いサイクリングロードなのだろう。
しかし、石畳はかなりギャップがあるのでみんな道の脇を走っていた。
散歩をする地元の人らしき人も多くて今回訪れたところでは最も観光地っぽくなかったな。
<3位>バチカン市国
(サンピエトロ聖堂。広場が広すぎるため小さく見えるが、実際は相当でかい)
定番中の定番の場所だから行っておくか、キリスト教系芸術はそれほど関心無いけど…と思いつつ行ったバチカンだけど、これは俺の理解不足だったようで良い意味で裏切られた。
さすがカトリックの総本山、かつて絶大な権勢を誇った歴代の教皇が作らせた建造物や集めた芸術品は素晴らしいの一言。
この現代においても、これだけのものを見せつけられたらキリスト教すげえって思ってしまう感じだ。
大げさな表現で無くまさに世界中から観光客が訪れていて、今回行った場所の中では混雑っぷりもダントツだった。
サンピエトロ聖堂に隣接するバチカン美術館は彫刻・絵画の質・量ともに半端無く、ここを見るだけで1日使ってしまったほど。
美術館も、聖堂も、表現に困る素晴らしさだったけど、何より印象的だったのは有名なミケランジェロの「最後の審判」。
よく歴史とか美術の資料集には載ってるけれども実物は圧巻で、何年もかけたとは言え1人の人間がこれだけのものを作り上げたという事実は信じがたく、変な感想だけど人間の可能性ってのを感じてしまった。
バチカンと言えば世界最小の国だけども、いやいや、とんでもない国でした。
まあそんなわけで素晴らしいところばかりだったけど、ローマは食事や普通の街中にも魅力があって、今になって恋しくなるのは実はそっちだったりするかも…。
その辺は、また次回。